薬剤師の転職

公務員の薬事職を目指す!20代薬剤師の転職(教養・専門試験編)

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公務員の薬事職!20代薬剤師の転職

薬剤師の転職の選択肢は、調剤薬局、ドラッグストア、病院といった臨床の現場だけではありません。「公務員」の選択肢がそのひとつです。

今回は転職で公務員の、とくに「薬事行政職」を目指す皆さんに向け、教養・専門試験の勉強法のノウハウをお伝えします。

調剤薬局で働きながら半年ほど自力で勉強し、都庁・関東圏の県庁の一次試験を突破した筆者がお伝えしていくので、ぜひ参考になさってくださいね。

薬事行政職は狭き門!でもここでしかやれない仕事が魅力

薬剤師で県庁・都庁で働く公務員を目指すときは、以下の二つの職務から希望する方を選び受験します。

  1. 県立や市立の病院で病院薬剤師として働く
  2. 県庁や保健所、地域の役所、研究施設で薬事行政に関わる

①②はどちらか一方しか選択できません。

と比べて狭き門なのが、の薬事行政職。例年は10人以上の枠がありますが、は片手で足りる程の採用人数です。

また、公務員試験には年齢制限があります。受験する年度の4月1日の満年齢で区切られ、都庁であれば28才、地方の県庁であれば30代前半まで受験可能と、場所によって異なります。

臨床の現場からは完全に離れることになりますが、県や都に暮らす皆さんの健康被害を「未然に防ぐ」ことができる職は、県庁・都庁の薬事行政職ならではですよね。
 
公務員の薬事職!20代薬剤師の転職
 

自治体によって異なる試験内容

県庁の一次試験は教養試験と専門試験、どちらもマーク式です。

一方、都庁は教養試験がマーク式、専門試験は記述式、加えて小論文試験もあります。さらに教養試験の内、一般知識分野は提示された問題の内、指定された問題数を選択して解答します。
 

必要な勉強時間

わたしは都庁・関東圏の県庁受験を目指しました。

都庁は5月上旬、県庁は6月下旬が例年の試験日です。私が受験を決めたのは試験前年の10月、実際に勉強を開始したのは11月でした。

当時は調剤薬局で働いていたので、早朝・勤務後だけでなく、昼休み・通勤時間といったスキマ時間を使って時間を捻出。平日は大体、以下のタイムスケジュールで動きました。

一般的な平日のスケジュールは以下のような感じです。

5時半〜6時半起床、朝ごはん、身支度、日経電子版確認
6時半〜8時一般知識勉強(数的処理・文章理解)
通勤時間電車内で暗記科目(時事・生物・地学・歴史など)or 専門試験勉強(小型の選択式問題集)
9時〜13時仕事
13時〜14時昼食、30分ほど読書に見せかけて暗記科目
14時〜20時仕事
14時〜20時仕事
通勤時間電車内で暗記科目 or 専門試験勉強
21時〜22時夕食、風呂
22時〜23時半専門試験勉強(記述対策)

あらためてみると平日は4時間半~5時間の勉強時間ですね。

完全週休二日だったので休日は10時間は勉強し、小論文対策も行いました。週40時間は勉強したことになりますが、もちろん息抜きに友人と外出した日もあります。
 

勉強ノウハウ~教養試験~

まずは教養試験対策でのポイントを8つ、お伝えします。

教養試験対策のポイント
  1. 最初に過去の合格ライン、自身の得意不得意から戦略を練る
  2. 数的処理は過去問をとにかく解く、苦手なら解答から見て解き方を叩きこむ
  3. 都庁はとくに過去問重視、国立国会図書館で10年分は入手して解く
  4. 文章理解は選択肢→本文の順で、消去法で解く
  5. 社会科学は社会人の教養の分野!今後も役立つので気晴らし、趣味感覚で勉強しよう
  6. 人文科学は捨てないなら近代中心に。都庁は日本の伝統文化がブーム
  7. 都庁の自然科学は戦略を立てやすい。生物・地学・物理がオススメ
  8. 初めて解く過去問は、時間を計って模擬テストのつもりで解く

ではそれぞれを詳しく見ていきましょう。
 

1:まず最初に戦略を練ろう

試験では満点を取る必要はありません。それに教養・専門試験共に出題範囲が広いため、働きながら全てを網羅することは不可能です。しかし、とくに都庁は最低でも32点は取らないと面接でも巻き返しを図れないと言われています。ですので必ず、取捨選択の戦略を練り、取ると決めたところは落とさないよう勉強しましょう。

このとき一般知能分野は問題数が多いので、決して捨てず、かつ全て正解するように志してください。一般知識分野で得意・不得意、出題数の少ない分野を取捨選択(ただし古文以外の一般知能分野は絶対捨てない)していきます。わたしは数学、文学・芸術、思想を捨て、歴史分野は気晴らし程度に軽く勉強しました。
 

2:数的処理は過去問を解きまくる

教養試験のうち数的処理は文章理解と並んで出題数が多く、落とせない分野です。苦手だな?と思ったら、解答から先に読んで「解き方」を叩きこみましょう。過去問を一心に解くのが一番の近道です。最近は過去問から出てくる傾向があり、わたしが受けた年も数字だけ変えた問題が数題ありました。

判断推理はパズル感覚で、数的推理は算数感覚で楽しみましょう。資料解釈はグラフの読み方に慣れれば前述の2分野と比べ正答しやすいですよ。答えからでいいので、グラフの読み取りに慣れてください。

わたしは「クイックマスター」&「スーパー過去問ゼミ」、県庁・都庁の過去問数年分を繰り返しました。


 

3:都庁はとくに過去問命!国立国会図書館で10年分は入手して解きまくる

とくに都庁は過去問からの出題が多くなっています。HPからは過去3年分は入手できますが、解答はありません。かといって過去の過去問集を中古で入手しようとすると高額になりまよね。

わたしは国立国会図書館で過去問集を10年分コピーし入手しました。国立国会図書館は今まで出版された書籍が全て保管されていて、持ち出しはできませんがコピーならできるのです。試験直前だと予約で埋まる可能性があるので、受験を決めたらすぐに動きましょう。
 

4:文章理解は選択肢から見る癖をつける!消去法で正答を選ぼう

文章理解は選択肢で問題文のテーマやキーワードが分かるので、初めに選択肢を見て読解の道筋にしましょう。解答を選ぶときオススメなのが消去法です。解答を選ぼうとするとどれも正解に見えてくるのが文章理解問題の恐ろしさ。でも消去法なら違和感のある部分をパパっと消すと正答が残ります。

英文も解答をみると、意味があやふやな単語の意味を類推できますよ。

気軽な読書感覚で解いていきましょう。ちなみに例外として、古文は出題数が少ないので捨ててもOK。
 

5:社会科学は新聞や参考書を読書感覚で読もう

数的処理も文章理解も自然科学も、今後役に立つのか?と問われると答えに窮します。でも社会科学――政治・経済・法律・時事は社会人にとっての教養と言える分野。これを機に身に付けてみよう、と新聞や高校生向けの参考書を読むと気晴らしにも◎。

政治・経済の点数が面白いほどとれる本」「速攻の時事」「日経電子版」で試験では十分に通用しました。


 

6:人文科学は近代中心でOK。都庁は日本の伝統文化が最近ブーム

日本史・世界史共に近代以降が頻出なので、捨てないならこの時代を中心に勉強しましょう。県庁の場合、カイロ会談の参加者にエジプトの代表が出てきたり····と頓珍漢な選択肢も多いので、難易度は低いですよ。

わたしは気晴らし、かつ歴史が好きなので世界史は「映像の世紀」シリーズを観て対策、日本史はユーチューブの高校生向けの無料講座を流しみました。

都庁はオリンピックの影響か、日本の伝統文化系の問題が頻出しています。一か八かで狙い撃つのもオススメです。


 

7:都庁の自然科学は生物・地学・物理がオススメ

都庁は人文・自然科学系は自分で答えるものを選択できます。よって戦略も立てやすい。生物も地学も暗記科目、物理は公式の暗記が苦でなければ、問題と公式のあてはめ方さえ覚えておけば確実に正答できます。

生物は「生物が面白いほどわかる本」、地学は「地学基礎をはじめからていねいに」を参考書にして、「クイックマスター」&「スーパー過去問ゼミ」、過去問で実践しました。物理は問題集・過去問の答えから解き方を学ぶ方式です。
 

8:初めて解く過去問は、時間を計って模擬テストのつもりで解く!時間配分も戦略

最後になりますが、県庁、都庁の過去問を年単位でまとめて解く際は、模擬テストのつもりで時間を計って解きましょう。実際の難易度での時間配分に慣れておくことを忘れずに。時間配分も戦略の内です。

わたしは文章理解、判断推理などパートごとにあらかじめ何時何分まで解き終えるかを決め、試験開始直後に書き込んで目安にしました。解けていなくても先に進み、予備に取っておいた時間で解けなかった問題に戻る、を鉄則にしました。

自分が解けないものは他の受験者も解けない、それに時間を食うより解けるもので確実に点を取る、と考えましょう。
 
公務員の薬事職 専門試験
 

勉強ノウハウ~専門試験~

次に専門試験対策をどのように行ったかご紹介します。
 

マーク試験対策

マーク試験対策では

  1. ひたすら国家試験の過去問を繰り返す
  2. 満点を目指さず身の丈に合った難易度の問題を繰り返す

の2点がポイントです。
 

1:ひたすら国家試験の過去問を繰り返す

まずは県庁のマーク試験の勉強法ですが、薬ゼミからでている「薬剤師国家試験既出問題集」の最新3年分をグルグル繰り返しました。このとき、不正解の選択肢も含め解説を読みこみます。学生時代の国家試験対策と同じですね。
 

2:専門試験も満点は目指さず身の丈に合った問題を繰り返す

苦手な物理・化学は必須問題レベルのみに絞り、薬学教育センターが出版している「必須問題集」も合わせて繰り返しました。専門試験も満点を目指す必要はない、と割り切ります。

他の受験者は現役なのでレベルが高いのでは?と不安に思うかもしれません。でも、自分の現役時代を思い出してください。6月下旬で国家試験対策が仕上がっている学生は少ないはず。

苦手な分野に時間を割いてやる気を無くすより、繰り返しやすい難易度でやる気を持続させましょう。国家試験で解けたし、と思って食い下がるのは時間がもったいないです。
 

記述対策

都庁の過去問対策は苦戦する方も多いと思います。何せ、情報が少ない。HPに過去問はあるものの、解答がなく方向性が掴めません。予備校などから出版されている過去問集にも薬剤師の試験範囲の解答はないんです。それに記述試験自体、受ける機会は少ないですよね。

ということで、以下の4点で対策しましょう。

  1. 過去問から勉強する分野を選ぶ
  2. 過去問の答えをまとめてみる
  3. 都の薬事行政に関するHP、該当する青本の範囲を暗記する
  4. 過去問からどんな問題がくるか予想問題を作り、時間を計って解答してみる

では詳しくご説明していきます。
 

1:過去問から勉強する分野を選ぶ

出題形式は大問5題から3題選択する方式です。まずは過去問3年分から、どの分野なら苦手意識なく勉強して答えらえるかを選びます。わたしが選んだのは衛生と法規。この分野からさらに出やすい分野を絞りました。
 

2:過去問の答えをまとめてみる

次に、この分野を答える!と決めた過去問の答えを詳しくまとめていきます。青本だけでは不十分な時事的な情報・東京都独自の取り組みについての問題もあります。その場合は都の公式HPから確認し、自分なりの解答をまとめます。
 

3:都の薬事行政に関するHP、該当する青本の範囲を暗記する

記述対策は頭に内容がないとお手上げです。選択した分野を音読で、ノートに書いて、繰り返して頭に叩きこみます。この時に法規や都の薬事行政を頭に入れておくと、面接対策にも役立ちますよ。とにかくインプット・アウトプットを繰り返しましょう。
 

4:過去問からどんな問題がくるか予想問題を作り、時間を計って解答してみる

試験では解答する文字数が決まっています。なのでその文字数で要点を絞った回答ができるよう、自身で予想問題を作って解答するプロセスを行いましょう。
 

「公務員の薬事職を目指す!20代薬剤師の転職」まとめ

働きながらの公務員試験対策は大変です。仕事以外の時間は教養・専門試験の勉強に費やすくらいの情熱で勉強しましょう。

本ページでご紹介したそれぞれのノウハウは、勉強時間を捻出して地道に続ける事が前提です。

年齢制限の壁もある公務員試験ですが、もし合格すれば、公務員だからこそできる仕事が待っています。でも、一次試験を突破しなければ面接に進んであなたの熱意を伝えることができません。

今回の内容が、あなたが第一関門を突破するための、勉強の指針になれば幸いです。
 

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